春を待つ 生け花
いつも玄関ホールに季節の便りを運んできてくれている杉本幸子さん。
1月も中旬を過ぎて、(年初めにいけた松を)早く替えに来たかったけれどこのところの天気が悪くて、、、やっと良い天気になったのでと、
昨日(1月25日)来てくださいました。
いつもならご主人の軽トラが先に到着していけられる花木が運び込まれるのですが、そうではなくお一人で来られた杉本さんを見て、
松を除いて梅の木を中心に調整するだけかなと思っていたら、また外へ出られて「椿(ツバキ)」を持って帰ってこられました。それは山の学校敷地内の椿(ツバキ)でした。
その椿を松と入れ替えられ、年初めにいけてまだ元気なユリや菊の花と、内緒の菜の花などと一緒にいけてくださいました。
そして梅の木は? そのままという事はないと思いながら見ると、やはり。
中央でスーッと上へ伸びて目にとまった、新年(年の始まり)をより感じさせてくれていた一本の新芽は残されていても、咲き始めた梅の花の存在を消さないように全体が整えられ、これから咲いてくる梅の花が生きてくる。そのような感じになりました。
その梅の木、いけ替えてくださった日の朝に水をさした時は、蕾が開いたものは無かったのですが、これまでの寒さが嘘のように暖かくなった事で、僅か半日で開き始めたようです。
厳しい寒さが続き、更に数日続いた雨も上がり冬を忘れさせるような温かい青空が望めたこの日は、外の椿の蕾は一足先に開き始めていました。
常緑で冬でも青々と茂っていることから神社や寺に盛んに植えられて、邪を祓う木として家の境に植えられたりする(※)「木」へんに「春」と書く椿と、
春の到来を告げる梅の花の、一緒にいけられた椿と同じく蕾をたくさんつけている梅の木が、
邪気のような新型コロナウイルス感染症の再拡大が収まることを願いながら、共に花開く「春を待つ」この時期そしてこの季節にピッタリの生け花をいけてくださったのだと思います。
そしてもう一つ、小さな包装紙のデザインを参考されたという玄関ホールの大きなちぎり絵も、
雪降る中で、邪気を祓う力があると言われている赤い色、真紅の花を咲かせた椿の花が、冬の寒さに耐え、生け花と共に春をまっているように思います。
(※)LOVEGREEN ホームページの記事を参考にさせていただきました。