柿ケ原に残る伝承行事「籾種祈年祭」
2月11日柿ケ原の八幡神社で今年も「籾種祈年祭」が執り行われました。
稲作を中心とした農耕社会を基盤として成立してきた日本の社会文化。
春には五穀豊穣を祈る「祈年祭」などの春祭りが、そして秋には五穀豊穣に感謝する「新嘗祭」などの秋祭りが至る所で執り行われ、世代から世代へ伝承されていましたが、
都市化社会の進展に伴う過疎化、担う方々の高齢化、生活様式の変化等々により、多くの地域でそのような日本の伝統文化が途絶えてきている事を聞きます。
ここ福山地区も例外ではなく、秋の祭りは規模に違いはあるものの5ヶ所全ての大字地区で伝承されてきてきますが、春の祭りは柿ケ原の「籾種祈年祭」だけになっています。
まずお祓いを受け(修祓)式次第に従って執り行われていく神事、
祝詞奏上の時は、いつも行われている事、お正月に柿ケ原神社に参拝され、奉加帳に記帳された方々全員の名前、住所が読み上げられ、その方達の無病息災を祈念されました。
玉串奉奠の儀では、今年も宮司さんのはからいで私も備えさせていただきました。
(予め私の分も用意してくださっていました。ありがとうございます。)
御神酒をいただく時は、いつもは一つの盃を回していますが、新型コロナウイルス感染症防止の為、ひとり一つの紙コップを使って行われました。
また宮司さんは商売繁盛の福笹を用意して皆さん渡されていました(昨年は交通安全のお札を皆さんへ用意してくれていました)
福山地区で唯一継承されている「籾種祈年祭」。その柿ケ原地区でも以前に比べ規模が小さくなってきているとの事。しかしそれは絶やさない為の工夫であったかも知れず、規模を小さくしてでも伝承されてきている事は素晴らしく、今後も稲作中心の農耕社会であった日本の社会文化を、その由来や意味を知る事で日本文化の良さ学ぶ場として、また地域の方達の交流の場としても伝承されていく事を願います。
神事が無事執り行われた後、福笹を背に記念写真を撮らせてもらいました。