(春の訪れを告げる 生け花)
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年の初めに松と一緒にいけられた梅。


3週間後の1月の終り頃に、松に替わって「木」へんに「春」と書く椿と共に“春を待つ生け花”となり、少しずつ蕾は開き始め、更に3週間後の今週の始めには満開になった梅の花が少し散り始めていました。
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そしてその2日後(217日)、杉本幸子さんがいけ替えてくださったのは“春の訪れを告げる生け花“。


椿は残して、梅に変えて春の訪れを知らせてくれる樹木として古くから日本で親しまれてきた「ネコヤナギ」を、中央には春を待ちわびていたように一斉に小さな黄色い花を枝いっぱいに咲かせるという「レンギョウ」と、同じく春の暖かくなった頃に華やかな花を咲かせるオレンジ色の「キンセンカ」をいけてくださいました。
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福山地区では生息しているところが少なく、いつも○○さん近くの川辺から頂いてくるというネコヤナギは、横への広がりが大きく、どちらかと言えば先は下がり気味の状態で生息しているようです(そのあたりでないと切ってこれないのかも)。


そんなネコヤナギをいける時、一般的な(?)水盤などにいける時は、使いたい部分を選んで思いの形にいける事が出来るかもしれませんが、山の学校玄関ホールのような大きな生け花では、切ってきた木のほとんどを、生息している時とほぼ同じ状態のものをいける事になるので、向きを変えるだけでは思うように出来ない事もあるようです。


そこで「水が先まで上がらないから、すぐダメになるかも知れないけれど」といいながらこんな工夫をされていました(近くで見ないと全く気がつきませんが)。
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随分見た目、形が変わって力強さ、生命力のようなものをより感じさせてくれるようになりました。


猫のしっぽを連想させるようなネコヤナギの花。
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その花言葉には、「自由、思いのまま、気まま、親切、努力が報われる」などがあるようです。


「自由」や「気まま」といった言葉は猫(の性格)を連想させるにぴったりな言葉で、「親切」や「努力が報われる」については、ネコヤナギが上や横に向かって元気に枝が広がり、空に向かって大きく手を伸ばしているような自由で開放的なイメージからこのような言葉が生まれたようです。


そしてレンギョウの花言葉には「期待、希望、叶えられた希望、勝利、喜び」などがあるようです。


新型コロナウイルス感染症の感染者数が少し減ってきています。


春の訪れから更に桜の花咲く春の頃には、感染しないよう、させないよう気をつけての自粛生活、新しい生活様式への“努力が報われ”、”希望”する、”期待”する世の中へ少しでも近づき、”喜び”の顔が見られるようになっている事願う。


この生け花は、そんな生け花のようにも見えます。


 


※ネコヤナギ、レンギョウの花言葉とその意味するもの:ネット「Green Snap」、「はなたま」のページより引用させていただきました


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